火災事故の報告書
報告
社内文書の中でも、特に重要なのが報告書です。事実を客観的に書くのが原則で、箇条書で要領よくまとめましょう。また、添付資料がある場合は、本文の最後に別紙があることを必ず書きます。
ポイント
- 事故の発生から収束までを主観や反省を交えず、事実だけを正確に述べる
- 事故の原因を作ったものだけに責任を押し付けたり、言い訳に終始する表現は避ける
- 損害・損傷が数値で示せる場合には数値で正確に説明する
火災事故の報告書
火災事故の報告書のテキスト
提出日:令和○○年○○月○○日 ○○○○○事業部 ○○○○本部長 ○○○○○課 ○○○○○ 火災事故報告書 下記の事故につきまして、以下のようにご報告いたします。 1. 件名 当社○○工場・第3製造ラインにおける火災事故。 2. 発生時期および期間 火災:令和○年○月○日15時10分頃~15時20分頃 稼働再開:令和平成○年○月○日8時30分 3. 事故の内容と経過 ○月○日15時10分頃、第3製造ラインにおいて「○○○」を生産していたところ、連続包装機から白煙が上がり、一部製品に引火いたしました。 連続包装機の稼働停止措置が遅れたため、送られてくる製品に次々と燃え移り、さらに製造ラインの可燃部分にも引火しました。製造ラインの可燃部分は防炎加工済みのため、火の手は上がりませんでしたが、溶融状態となりました。 火災発生時には、たまたま担当作業員がトイレで現場を離れており、発火に気がついた他ラインの作業員がライン停止措躍をとるとともに、復帰した担当作業員と力を合わせて、消火作業に当たった結果、15時15分頃には消火しました。その後5分ほどかけて、消火状況を調査し、15時20分には、完全に消火できたことを確認しました。 その後、焼損品等現場の片づけ、ラインの補修などを行い、○月○日午前8時30分に第3ラインの稼働を再開しました。 4. 原因 直接的には、作業員のトイレ休憩時における代替システムを作っていなかつたこと、消火器がすぐ近くになかったことが原因といえます。 防火設備に関しては、消防法に基づき適正に対処しておりましたが、本来設置すべき第3製造ラインの消火器がなかったことにつきましては現場作業員が作業に支障を来すとの理由から、無断で別の場所へ移動させていたことが判明しました。 製造ラインにつきましては、随時更新をしておりますが、出荷した第3製造ラインの連続包装機は当社独自仕様の特注機であり、また当該機の生産メーカーが2年前に解散したことから、メンテナンスが十分に行われていませんでした。昨年での製造設備更新時に放置せず、手当をしておけば、今回の事態を招来せずにすんだといえます。 5. 損害 人的損害:なし 物的損害:①焼失・破損製品 約12ロット分 17万3500円 ②製造ラインの補修費 78万6500円 ③第3製造ライン2日間休止による損害 67万4800円 ④現場清掃その他の費用 6万8700円 合計 170万3500円 6. 所見 作業員その他人的被害がなかったことは不幸中の幸いでありましたが、トイレなど作業員不在時における代替要員システムを作っておかなかったこと、消火器の位置等現場の状況を厳密にチェックしていなかったこと、メンテナンス時期の判断を誤ったことは・工場長である私の責任であり、その詰果、会社に多大の損害を与えたことを深く反省しております。 7. 添付資料 ⑦火災発生場所の見取り図 ②消火後および稼働再開後の写真